電子天秤のデータ収集システム(その3)

先日、ご都合を調整頂き、ご相談者様の現場状況を見学をさせて頂く事ができました。

電子天秤に対してメーカ製の環境ロガー装置1台、ノートパソコン1台、Excel1式、といった装備品を複数台分準備し、収集したデータ(xlsxファイル)をWiFiやUSBメモリを介して集約して管理されている状況でした。

A&D社製の環境ロガー装置である、AD-1687ユニットは、PCにUSB接続されると、PC側としてはキーボートデバイスとして認識されている様子で、Excelであろうが、メモ帳であろうが、電子天秤からシリアル通信で取り出した秤量データを、文字列にして 定期的に テキストデータとして「書き上げて」記録する用途にも使える仕様です。

それ自身の製品名として「ロガー」と銘打っている事もあり、A&D社製の様々な環境測定装置と通信を行って、内部メモリに収録する仕様も組み込まれ、多様な使い方を想定したオプション製品の様子です。

詳しくは、メーカ様のHPで入手できる資料を参考にさせて頂きました。

しかしながら、こちらの相談者様の現場の悩みは、PCで環境測定データを管理し、リアルタイムでグラフを描画したり、毎日の記録ファイルを管理する上での利便性や煩雑な測定機器回りの「モノ」を削減したい、との事。

電子天秤1台につき、ロガー装置にPCにまたその電源アダプターやら、通信配線、USB配線等々、素人の私が一見すると、どれが主役の装置なのかがわからない雰囲気ではありますし、ロガー装置の仕様とはいえ、記録中はPCのキーボード操作やマウス操作は一切ご法度、不意にカーソルを操作してしまうと、連続した測定記録に支障が発生してしまう状態です。

そこで、この製品仕様と現場環境にあったデータ収集システムの構築について検討を依頼して頂けました。
私にとってはまさに初仕事!(嬉)
その場のホワイトボードで状況と課題を整理しつつ・・・

以上の事から、各電子天秤のシリアル通信をWiFiに変換し、1台のPCで複数の電子天秤の秤量値を収集するシステムを提案したところ、価格によっては興味深いとの評価を頂く事に至りました。

イメージ図
電子天秤データ収集システム概念図

システム構築に関わる概算費用としては2ヶ月程度を想定頂いて、従来と異なる付加価値としてのアピールポイントは、

  • 環境ロガー装置を個別に購入しなくてもよい
  • 測定用のPCを個別に購入しなくてもよい
  • データファイルの管理としては測定したPCに一次的に集約

ただし、WiFiを使っている点の懸念要素としては、

  • 測定中のWiFi断絶等による測定値の収録途絶の可能性
  • WiFi管理者との調整が必要
  • 電子天秤の数だけWiFiアダプタ並びに25-9Pinアダプタの新規購入

が存在する点を説明させて頂きました。

開発2ヶ月というざっくりな数字としては、感覚で出した数字ですので、いったん持ち帰ったうえで、正式な見積積算を提出させて頂く事で了解頂く事ができました。

実際の開発にあたっては、電子天秤等の機材は無償で貸与頂けるとの快諾も頂けましたので、何とか現場のお役に立ちたいと思っております。

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